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漆蔵資料館 豆知識

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先日、東北若手議員の会の皆様にもお使いいたいた漆蔵資料館の建物についての豆知識です。

資料館の建物の名前にもなっているこの漆蔵(内蔵)は親子三代、約25年の月日を費やして大正10年に完成しました。
扉は片側だけでも750kg以上あり、耐水性にすぐれた桂材を使用しています。
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蔵座敷は全国にも幾つかありますが、こちらには蔵茶室が備わっています。
大黒柱が無く、88本の栗の柱で支えられています。
この柱、大黒柱の代わりのほかにも、万が一泥棒が入ったときにもこの柱が邪魔をして荷物を持ち出しにくくする役目もありました。
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建物そのものにも大黒柱が無く、この漆蔵全体が大黒柱の役目をしています。
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『漆蔵』の名のとおり、建物内部ほとんどに漆が施されているのですが漆は燃えにくく、静電気が発生しないため、ほこりがつきにくいのが特長です。
ただし、1階の一部の柱、欄間と2階の天井だけは漆を塗っていません。
聞けばそれぞれ訳があってのことでした。
柱・・・もともとは物置棚として使われていたところだった。
欄間・・黒柿の木を使用しており、北東北では非常にめずらしい木材だったため、自然の模様をそのまま活かすため。
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この2階の天井の上には砂が入れてあり、万一の火災時に最初に天井が燃えて砂が落ちる、消火システムのために燃えにくい漆をあえて塗っていないのだとか。
また、梁に使われているケヤキは樹齢300年もの。
若干アーチ状になっており、重量や横揺れに強いと言われています。

この蔵、用途にあった形状、木材にこだわり栗、黒柿、ケヤキをはじめ、実に7種類以上もの木材が使用されています。
このようにあちこちに職人の技と先人の知恵が詰まった蔵、使用しながら後世に伝えて生きたい文化財です。