2021.04.29
漆蔵資料館 店長日記

俳壇の巨匠 石井露月の最大の書を展示中

小雨の横手市増田町です。

当館で、石井露月の最大の書<梅花賦(ばいかのふ)>を展示中です。
露月は、明治6年、秋田市雄和の農家の二男として生まれました。本名は祐治。明治~大正~昭和期にわたって、県下俳壇に大きな影響を与えた人物です。
雨に濡れた若葉に月が差してキラキラと美しいのを見て露月と号した伝わります。
俳句革新運動に共鳴。正岡子規に師事して高浜虚子と並ぶ「子規四天王」と呼ばれました。
正岡子規没後、子規の俳風を正しく継いだのは露月とされ、生涯を日本派俳句の拡充に努めました。

<梅花賦(ばいかのふ)>は縦54cm×横2m83cm、39行265文字です。賦(ふ)とは文章と詩の中間的なものです。
原文の解読資料を用意しております。また、ご自由に写真撮影ができます。
大意は次のとおりです。
梅を見ながら、美人からの贈り物である、美しい瓶から酒を汲んで飲んでいると、月もきれいなので梅を詠む賦を作りたくなって、酒を飲みながら作り、飲み干したときに出来上がってそのまま寝てしまった。すると月から美人がやってきてそれを読み、自分より美しいと嫉妬して、これを盗んで月に帰って行き、人に見られないよう大事にしまってしまった。一方、私が目覚めたらもう月は沈んでいて、賦は盗まれてしまっており、空になったはずの瓶に酒がなみなみと入っていた(美女は賦のお礼としてまた酒をくれたのだ)。

春の観光に漆蔵資料館へお越しください。